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成年後見制度

認知症と法定成年後見制度のメリットについて

法定成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障がいなどで判断能力が不十分になった人の社会生活を支援する人を家庭裁判所で定めて、通常の生活を送れるように支援する制度です。
例えば、認知症になってしまった人が不動産の契約をする場合、正常な判断ができないために、自分にとって一方的に不利な内容の契約を結んでしまう可能性があります。認知症のお年寄りが業者にだまされて、高額のリフォーム詐欺の被害にあったニュースなどを、みなさんも目にしたことがあるはずです。また、売る側にとっても、契約の後で話の内容を忘れられてしまうと、トラブルの原因になってしまいます。
そんな場合、法定成年後見制度を利用して支援してくれる人を決めれば、後見人が本人に代わって公正に判断できるため、本人にとってはもちろん、相手方にとっても安全に契約を結ぶことが可能になります。
また、先ほど例に挙げたリフォーム詐欺のように、高齢者が悪質な商品を購入させられてしまった場合に、法定成年後見制度によって後見人が定められていると、購入したことを取り消して代金を取り戻すこともできるのです。

法定成年後見制度のメリット・デメリット

高齢者を支える制度に介護保険制度がありますが、介護保険が身体能力についてサポートする制度であるのに対して、法定成年後見制度は認知症や知的障がい、精神障がいなどの判断能力の不十分を支援する制度です。では、法定成年後見制度には、どのようなメリットがあるのでしょう。

法定成年後見制度のメリット

判断能力が低下した人の財産管理と身上監護を支援してもらうことができる
一定の場合、後見人には取消権(※法律行為の取り消しをし得る権利)があるので、本人が詐欺にあっても契約を取り消せる
登記内容が開示されるので、後見人の地位が公的に証明される

後見人は日常生活のなかで、契約などの場面で不利益を被るおそれがある人々を保護・支援します。もちろん、遺産相続の場面では、遺産分割協議などでサポートしてもらうことが可能です。

また、以下のようなデメリットがあることも、あわせて覚えておいてください。

法定成年後見制度のデメリット

資格制限により、一定の資格(会社の取締役、弁護士、医師など)に就くことができない。

しかし、このデメリットを差し引いても、ご自分の判断能力が十分でない方にとってはメリットの方がはるかに大きいといえるでしょう。なお、家庭裁判所により後見人が選任されても、普通の買い物をするような日常生活に必要な行為は、本人が自由に選択できます。

法定成年後見制度の種類

法定成年後見制度は「後見」「保佐」「補助」の3つに分けられます。
法定成年後見制度の種類

「後見」(おおむね判断ができない人を対象としています)

精神上の障がいによって、判断能力を常に欠く状況にある者を保護します。
「成年後見人」が支援を行い、日常生活上の行為以外については、すべての法律行為を本人に代わって行うことができ(代理権)、また本人がした法律上の行為を取り消せます(取消権)。

「保佐」(判断能力が著しく不十分な人を対象としています)

精神上の障がいによって、判断能力が特に不十分な者を保護します。簡単なことであれば自分で判断できるが、法律上の一定の重要な事項については援助を要するという場合です。
「成年保佐人」が支援を行い、民法上に列挙されている重要な法律上の行為について事前に同意を与える同意権と、同意なく本人が行った行為を取り消す取消権があります。代理権は、当然には付与されず本人の同意が必要です。

「補助」(判断能力が不十分な人を対象としています)

精神上の障がいによって、判断能力が不十分な者を保護します。だいたいのことは自分で判断できるが、難しい事項については援助を要する場合です。
「成年補助人」が支援を行います。なお、成年補助人は同意権・取消権、代理権も当然には付与されず、本人の同意を得て、必要な範囲の同意権・取消権や、代理権が付与されます。

任意成年後見制度

これまでは法定成年後見制度について述べてきましたが、法定成年後見制度とは別に任意成年後見制度というものがあります。任意成年後見制度とは、本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来的に自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と、後見する人(任意後見人)を、事前の契約によって決定しておく制度です。決定の際には公正証書を作成します。
任意後見人は家庭裁判所が選任した任意後見監督人の監督を受けることで、本人の代理として契約、同意、取り消しなどの法律行為を行えます。ちなみに、任意後見監督人とは本人が選んだ任意後見人が、ちゃんと仕事をしているかをチェックする役目の人です。
任意成年後見制度の流れ

将来、認知症になったときのことが不安(※この時点では判断能力に問題がない)

信頼できる人と任意後見契約を締結(※公証人役場で公正証書を作成する)

認知症の症状が見られるようになった

家庭裁判所に申し立て(※家庭裁判所選任の任意後見監督人が任意後見人の仕事をチェック)

任意後見人が任意後見契約で定められた仕事を行う

なお、任意後見契約では任意後見人を誰にするか、どこまでの後見事務を委任するかは自由に決められますが、一身専属的な権利(結婚、離婚、養子縁組など)については、契約に盛り込むことはできないとされています。

相続人が認知症の場合

遺産分割協議などの手続きではすべての相続人の同意が必要とされます。そのため、相続人に認知症の人がいて、その人が判断能力を欠いていたり、意思表示ができない場合には、法律行為である遺産分割を行えません。そのような状況で行われた遺産分割協議は、法律的に無効とされてしまうからです。
相続人に認知症の人がいる場合には、法定成年後見制度を活用して遺産分割を進めます。まず、家庭裁判所に成年後見人を立てる手続きをします。その際、医師の診断書や専門家による鑑定書が必要です。家庭裁判所はそれらの診断書や鑑定書から認知症の度合いがどれくらいかを確認して、後見人が必要か、それとも保佐人や補助人でよいのかを決定します。
法定成年後見制度を活用した遺産分割協議では、認知症の人の取得分は法定相続分になる事例が多いようです。これは本人の権利を守るための判断です。

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2017年8月17日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

遺言書の保管方法

遺言書の保管方法について

遺言者が作成する「自筆証書遺言」は、遺言者が自らの責任と費用で保管しなければなりません。しかし、遺言書の保管方法に頭を悩ませる方は、とても多いようです。
たとえ遺言書を作成しても、その遺言書が相続人や遺言執行者に発見されなければ、法定相続が開始されてしまい、遺言者の意思を実現することができなくなってしまいます。さらに、遺産分割が行われた後に遺言書が発見された場合には、「錯誤」を理由として遺産分割そのものが無効となる可能性もあります。
とはいえ、遺言書を容易に発見できる場所に保管したら、紛失や盗難、利害関係者による改ざんの危険性が生じます。では、いったいどのようにしたらよいのでしょうか。

遺言書の保管の注意点

作成した遺言書を自分で保管するときは、信頼できる第三者にだけ遺言書の存在と保管場所を伝えておくのがよいでしょう。ただし、いくら信頼できる人とはいっても、相続の利害関係者では、後のトラブルの原因になる可能性があるので、弁護士、行政書士、司法書士などの専門家に依頼するのが望ましいでしょう。それらの専門家を遺言執行者に指定しておけば、なお確実です。
次に、銀行などの貸金庫に保管する方法があります。貸金庫による保管では、紛失や変造の心配はありませんが、契約者(遺言者)死亡後における貸金庫の開扉に、相続人の戸籍謄本、印鑑証明などが必要であるため、若干手間が掛かる上、原則として相続人全員が立ち会わなければならないなどの制約があります。
いずれにしても、保管についてじゅうぶんな注意を払わなければ、遺言書を作成した意味が失われてしまいます。遺言書を作成する際は、作成後の保管方法と遺言の実行についても、よく検討するようにしてください。

遺言書の種類によって異なる保管方法

遺言書原本が公証役場で管理される「公正証書遺言」の場合、遺言者が保管方法について頭を悩ませる必要はありません。公証役場で保管されることで、紛失や盗難のリスクを避けられます。
しかし、遺言書が公証役場に保管されていることは、誰かに伝えておかなければなりません。「公正証書遺言」の場合、相続人や遺言執行者が公証役場に問い合わせれば、遺言書の所在や、どこで作成されたかが分かるシステムに登録されています。遺言書の有無が不明の場合、公証役場で調べてもらうこともできます。
自分の手で作成する「自筆証書遺言」は、遺言者が自ら保管しなければならないため、紛失・盗難・改ざん・偽造の心配が付きまといます。前項でも述べたように、弁護士などの専門家に保管を依頼するとともに、その専門家を遺言執行者に指定しておくのが、最も望ましい方法といえるでしょう。「秘密証書遺言」の場合も同様です。
いわゆる“終活”の指南書のなかには「その遺言書が効力を発したときに最も有利となる人」に預けるのがよいと書かれたものがありますが、これは相続人間のトラブルの原因となることも考えられるので、あまりお勧めできません。

公証役場について

本項でたびたび登場した「公証役場」とは、いったい何でしょうか。一般の方にはあまりなじみがない場所だと思われます。
公証役場は日本全国に約300カ所、各都道府県に必ず2カ所以上開設されている役所です。公証役場では、裁判官、検察官、弁護士など、法律の専門家のなかから、法務大臣によって任命された500人以上の公証人が業務を行っています。
公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」の原本は、法務局による認可を受けた安全で堅固な場所に半永久的に保管されます。

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2017年8月17日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

遺言書の作成

遺言書を作成する理由

みなさんは「遺言書は財産や社会的な地位を持つ、特別な人のもの」と考えてはいないでしょうか。また、遺言書は死ぬ間際に書くものだから、とりあえず自分には関係ないと思ってはいないでしょうか。
遺言書は決して特別なものではありませんし、「遺書」とは違います(文字は似ていますが…)。
もし、何の備えもなくあなたが突然亡くなったら、遺族は遺産分割のための煩わしい手続きに時間を取られるだけでなく、いわゆる「相続争い」に巻き込まれることも考えられます。2015年(平成27年)1月からの相続増税で一般家庭の税負担が増えれば、遺産の分け方でもめるケースもこれまで以上に多くなることでしょう。
財産といえばマイホームといくばくかの預貯金だけという、今まで相続税対策と無縁だった家でも、遺産相続をスムーズに進めるために不可欠な「遺言書」を作る機運が高まっています。「わが家はそれほど財産がないから遺言書なんて必要ない」という考え方は、間違いといえるでしょう。

遺言書の種類

遺言書の種類は、すべてを自分で書く「自筆証書遺言」と、公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」が一般的です。このほかに、内容を秘密にしたまま、その存在のみを証明してもらう「秘密証書遺言」があります。これら3種類の遺言は「普通方式」と呼ばれます。
特別な状況でやむを得ない場合にのみ使われる「特別方式」の遺言(「死亡危急者の遺言」「船舶遭難者の遺言」「在船者の遺言」「伝染病隔離者の遺言」の4種類)もありますが、ここではそれらについての説明は省きます。

「自筆証書遺言」

全文を自分で書く遺言のことです。いつでも作成できて、保管の方法にも決まりはなく、特に費用もかかりません。注意しなければならないポイントとしては、自分で書くため遺言書の書式に不備が発生することが多い、紛失や盗難、内容の改ざんのおそれがある、という点です。ほかの人に書いてもらったり、パソコン・ワープロを使用したものは無効です。

「公正証書遺言」

公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです。作成時の書式にミスがなく、保管も確実で安心できます。作成には費用がかかります。遺言者の真意を確保するために「2人以上の証人」に立ち会ってもらう必要があります(公証人が筆記した遺言書の内容を、遺言者と証人に読み上げたり、閲覧させたりするため)。

「秘密証書遺言」

「内容」を秘密にしたままで、「存在」のみを証明してもらう遺言のことです。誰にも内容を知られたくない場合に作成します。遺言書が作成された事実だけは公証人役場に記録されます(その際に2人以上の証人の立い会いが必要です)が、保管は遺言する人が自ら行います。そのため、紛失や盗難には注意が必要です。

遺言書を作成する前に

まず、遺言書を書く前には「財産目録」を作成することをお勧めします。預貯金、土地、建物、株券などの有価証券といった財産がどのくらいあるのかを明らかにしておくのです。マイホームのような大きいものは大丈夫でしょうが、うっかり忘れている財産はないでしょうか?
さらに、それらの財産を遺言がない場合に相続する人(民法に定められており、「法定相続人」といいます)が誰と誰なのか、自分が相続させたいのは誰と誰なのかを明らかにし、「相続人リスト」を作ります。
これらの「財産目録」や「相続人リスト」を作成して、自分の財産や、財産を譲りたいと思う人を把握してから、遺言書の作成に取りかかりましょう。
遺言書を作成する際の注意事項

「自筆証書遺言」では、先に記したように、すべての項目を自ら書かなければなりません。パソコンやワープロは使用しないでください。そのほかにも、遺言書の書式にはさまざまな決まりがありますので、遺言としての要件が欠けてしまわないように注意してください。
「公正証書遺言」と「秘密証書遺言」は作成時に公証人を利用しなければならないため、作成にどのくらいの手間と費用がかかるかを、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
なお、費用は遺言の対象となる財産の額によって変わってきます。

「自筆証書遺言」を作成する際の注意事項

すべて自分で記入する(代書、パソコン・ワープロ・テープレコーダーは×)。
遺言が完成した日付を記入する(○年○月○日と正確に記入。「6月吉日」のような表現は×)。
署名をする(フルネーム)。
押印をする(実印である必要はない。指印は避けた方が無難)。
記載を間違った場合の修正の仕方が法律で定められているので守る必要がある。
封印するかどうかは自由。
相続開始後には検認(家庭裁判所で行う証拠保全作業)の手続きが必要。

「公正証書遺言」を作成する際の注意事項

公証役場での手続きに立ち会ってくれる証人が2人以上必要。
実印・印鑑証明書はあらかじめ用意しておくとよい。
戸籍謄本など必要書類が多数あるので事前に確認しておく。
作成のための手間と費用を確認する。
立ち会う証人に遺言の内容が知られてしまう。
検認の手続きは不要。

「秘密証書遺言」を作成する際の注意事項

パソコン・ワープロの使用、代筆が可能(自筆の署名・捺印(なついん)は必要)。
封入・封印が必要。
公証役場での手続きに立ち会ってくれる証人が2人以上必要。
作成のための手間と費用を確認する。
公証人は遺言書の内容を確認しないので、遺言としての要件が欠けてしまわないように注意する。
検認の手続きが必要。

遺言書の定期的な見直し

遺言書は一度作成したらそれで終わりではありません。さまざまな人間関係、自身や家族を取り巻く環境は常に変化しているのですから、定期的に内容を見直し、必要があれば書き直さなければなりません。

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2017年8月17日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

遺言執行者を探す

遺言執行者とは

遺言者は「遺言執行者」を指定できます。遺言執行者とは、相続財産の管理など、遺言を執行する権限を持っている人のことです。
亡くなった後に確実に遺言が実行されるよう、遺言者は遺言執行者を指定するとよいでしょう。そうすることにより、手続きをスムーズに進められます。なぜなら、遺言執行者がいる場合には、相続人といえども、相続財産の処分や、その他、遺言の執行を妨げる行為ができなくなるからです。

遺言執行者は何をするの?

遺言執行者に指定された人は、相続財産の管理や、その他、遺言の執行に必要な一切の行為に対する権利義務を持つことになります。したがって、前項で述べたように、たとえ相続人であっても、遺言の内容に反する処分行為をした場合には、無効となります。なお、未成年者または破産者でなければ、立ち会いの証人でも、相続人または受遺者でも、遺言執行者になれます。
遺言執行者の主な役割は、相続財産目録の作成や交付、不動産の所有権移転登記、預貯金の解約や名義変更などです。これらの手続きはたいへん煩雑なので、会社に勤めている方や高齢者には大きな負担になります。
さらに、遺言執行者の指定がないと、預貯金の解約などの際に、銀行所定の書類への相続人全員の押印や遺産分割協議書、印鑑証明書の提出を求められるのが一般的です。遺言執行者の指定があれば、遺言執行者の押印だけで預貯金の解約を認めてもらえることが多いようです(ただし金融機関ごとに取り扱いは異なります)。そうした点からも、できるだけ遺言執行者を指定することが望ましいといえます。

遺言執行者を指定する方法

遺言執行者を指定したい場合、遺言書に「遺言執行者として、妻○○を指定する」などの一文を入れるのが一般的です。さらに、「遺言執行者は、遺言者名義の預貯金の名義変更、払い戻し、解約、その他本遺言の執行に必要な一切の行為に対する権限を有する」と記し、遺言執行者の有する権限を明確にします。遺言執行者は、このような定めがなくても、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為に対する権利義務を有しますが、このような形で具体的に列挙しておくと、手続きなどをスムーズに行えます。
その他、遺言執行者の報酬についても遺言で定めておくことがあります。

遺言執行者を選任する際の注意点

遺言執行者を誰にするかは遺言者の自由ですが、相続財産の管理や処分を利害関係者が行うと、それが公平な行為であっても、そうは思わない他の相続人が現れることもあります。そのため、弁護士、行政書士、司法書士などに依頼することも選択肢のひとつとなるでしょう。そうした専門家であれば、法律や税務に関する知識も有しているはずです。相続問題の取り扱い経験が豊富な専門家をさがしましょう。また、遺言執行者を身内にしておいたうえで、実質的な処理を専門家に任せられるように復代理人選任規定を設けることもあります。
遺言の執行には、必ず遺言執行者が必要というわけではありませんが、次のような場合には遺言執行者が必要ですので、注意してください。

子供の認知
推定相続人の廃除、または廃除の取り消しなど

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2017年8月16日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

遺言

人は自分の財産を、生きている間はもちろん、遺言をすることにより、亡くなってからも、原則として自由に処分することができます。また、非嫡出子の認知など身分上の事項も遺言によりすることができます。

特定の財産を特定の相続人に相続させる旨の遺言を作成すれば、遺言者の死亡時に、相続人間の協議を待つことなく、その方にその財産に関する権利が移転することになります。相続人以外の第三者に財産を渡す場合も(遺贈といいます)、同様です。

遺言の種類はいくつかありますが、一般によく利用されているのが、自筆証書遺言と公正証書遺言です。効力は、どちらでも変わりありません。

自筆証書遺言は、全文を自分の肉筆で書いたものです。日付と署名、押印があれば、用紙や様式の制限はありません。ただ、誤字があった場合や内容を変更する場合の修正の仕方は細かく決められていますので、注意が必要です。費用もかからず、自由に思い立ったときに書けますが、紛失や改ざんの恐れがあるほか、亡くなった後、遺族が家庭裁判所で遺言書の検認を受けなければならない手間があるというデメリットがあります。

一方、公正証書遺言は、公証役場で公証人に遺言したい内容を伝え、書面にしてもらう形で作成する遺言です。紛失や改ざんの恐れがなく、検認手続も不要である半面、作成に費用がかかるほか、ある程度の手間と時間がかかり、2名の証人が必要となるという面もあります。

遺言は、一度作成した後も、心情や状況の変化により、何度でも書き直すことができます。複数の遺言が残された場合は、最後の遺言が有効な遺言となります。また、遺言を書いた後に、遺言に書いた財産を処分したときは、その部分について遺言の効力がなくなることとなります。

原則として財産を自由に処分できると最初に書きましたが、その例外が遺留分という制度です。各相続人に保障された最低限の取り分のことで、遺留分を侵害する内容の遺言も書くことはできますが、相続人から請求があれば、遺留分については遺言のとおりにはならないことになります。

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2017年8月4日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

特定の相続人に相続させない方法

推定相続人の廃除と相続欠格

何らかの事情により、被相続人が推定相続人(現状のままで相続が開始した場合、直ちに相続人となるべき者)に財産を残したくないと考えた場合、または、相続させることに支障のある人がいる場合、そのような人に相続させないために、民法は2つの規定を定めています。それが「推定相続人の廃除」と「相続欠格」です。
「推定相続人の廃除」とは、被相続人の意思によって、文字通り特定の推定相続人を廃除することです。家庭裁判所に申し立てを行い、裁判所による審判をたて、廃除に必要な条件を満たしていると認められれば、推定相続人は相続権を喪失します。推定相続人を廃除するには、生前に廃除する方法と、遺言で廃除する方法があります。
次に、「相続欠格」とは、推定相続人が「相続欠格事由」に該当したとき、相続権が剥奪されるというものです。この「相続欠格」は、「推定相続人の廃除」とは違い「法律上当然に」権利が剥奪されます。つまり、裁判所による審判を必要としません。

推定相続人の廃除

仮に、被相続人が遺言書で特定の推定相続人に遺産を相続させないと記しても、推定相続人は遺留分を相続することが可能ですから、遺言だけで相続の阻止はできません。特定の相続人を相続から廃除するためには、家庭裁判所に「推定相続人廃除の審判申し立て」をします。これが認められれば、遺留分も含めて相続権を廃除することが可能になります。ただし、被廃除者に子供・孫などがいた場合、被廃除者の子供・孫などは代襲相続(被相続人が死亡するよりも先に相続人が死亡したことなどにより、その相続人の直系卑属が相続人に代わって相続すること)ができます。
推定相続人の廃除には、被相続人が生前に家庭裁判所に対して請求する方法と、遺言書に特定の相続人を廃除したいという意思を明記する方法があります。しかし、推定相続人の廃除は慎重に審議される傾向があり、申し立てを行えばすべて認められるというものではありません。この「推定相続人の廃除」には、それが認められるための理由が必要です。

推定相続人の廃除に必要な条件

通常、正当な廃除の理由として認められるのは、次のような理由です。

被相続人を虐待し、もしくは重大な侮辱を与えたとき

(例えば、被相続人に対する度重なる暴行などがあたります)

その他の「著しい非行」があったとき

「著しい非行」とは、

・被相続人の財産を不当に処分した
・多額または度重なる借金などを被相続人に弁済させた
・被相続人に金銭的な負担を強いた

などのことです。

もちろんこれだけではありませんが、正当な廃除の理由として認められるためには、遺留分の剥奪を正当化できるほどに、推定相続人が被相続人の生活関係などを破壊したといえることが必要とされています。
なお、手続き後に、廃除された推定相続人との関係が良好なものに復するなどした場合には、相続廃除の取り消しを請求すれば、いつでも取り消せます。「推定相続人の廃除」の撤回は、認めてもらう場合に比べればとても簡単です。家庭裁判所に申し立てるのではなく、遺言によって取り消すこともできます。

相続欠格

「相続欠格」とは、法定相続人が相続に関して不正な利益を得ようとして次のような不正な行為をし、または、しようとした場合に、相続人の資格を失うことです。前項の「推定相続人の廃除」は、被相続人の意思によってその権利を奪われるものでしたが、この「相続欠格」は、民法によって定められた「相続欠格事由」に該当したときに、相続人の権利が剥奪されるものです。欠格者は受遺者としての資格も失うので、遺贈を受けることもできません。

相続欠格事由

故意に被相続人あるいは相続について先順位・同順位の相続人を殺し、または、殺そうとして刑に処せられた者

※実刑を受けたことが要件。執行猶予は欠格事由に該当するかどうか見解が分かれる。

・被相続人が殺害されたことを知ったにもかかわらず、これを告発、または、告訴しなかった者
・詐欺または強迫によって、被相続人に遺言させたり、すでにした遺言を取り消したり、変更したりすることを妨げた者
・詐欺または強迫によって、被相続人に遺言させたり、すでにした遺言を取り消させたり、変更させたりした者
・遺言書を偽造したり、すでにある遺言書を変造したり、破棄したり、隠匿したりした者

上記に該当する事由があった場合は、裁判所による審判や調停などの手続きを必要とせず、「法律上当然に」相続権を失います。なお、相続欠格者に子供や孫などがいた場合、欠格者の子供や孫などは代襲相続ができます。
また、前述の通り相続欠格は「法律上当然に」その効果を生じるので、戸籍に記載されることはありません。相続登記を申請するにあたっては、欠格を証する書面を提出する必要があります。

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2017年8月1日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

相続人確認チャート

被相続人の財産を相続する権利がある人のことを「法定相続人」といいます。法定相続人は、被相続人との関係(続柄)によって、その範囲と順位が決められています。将来の遺産相続に備えるために、まず行うべきなのは、法定相続人が誰かを確認することです。
以下のフローチャートで、誰が法定相続人になるのかをチェックしてみましょう。

相続人の範囲

相続する権利を持つ人(法定相続人)になれる人は、以下の通りです。
1.被相続人の配偶者
2.被相続人の子(直系卑属)
3.被相続人の父母(直系尊属)
4.被相続人の兄弟姉妹(傍系血族)

上記以外の立場の人は、法定相続人として認められません。ただし、被相続人が遺言書を作成しており、上記以外の立場の人についても遺産を相続させると記していた場合には、その内容にしたがって財産を相続させることが可能です。

相続人の順位

被相続人の配偶者は常に法定相続人となりますが、それ以外の人(被相続人の子・父母・兄弟姉妹)は、法定相続人となる順位が決まっています。

第1順位「被相続人の子」

被相続人の子供が死亡しているときは、その子供の子供(孫)が相続人となります。

第2順位「被相続人の父母」

第1順位である「子」がいないときは、父母が相続人になります。
父母がおらずに祖父母がいるときは、祖父母が相続人になります。

第3順位「被相続人の兄弟姉妹」

第1順位である「子」、第2順位である「父母」がいないときは、兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹がすでに死亡しているときは、その子が相続人になります。

代襲相続について

法定相続人となるべき人が被相続人よりも前に亡くなっている場合、「相続欠格」や「廃除」によって相続権を失っている場合は、「法定相続人となるべき人の子」が相続人になります。これを代襲相続といいます。
例えば、法定相続人となるべき「子」がすでに亡くなっている場合、その相続権は孫やひ孫など下の世代に代襲されます。ただし、法定相続人となるべき兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は別で、兄弟姉妹の子には代襲されますが、その孫には代襲されません。

相続欠格と廃除

「相続欠格」

遺言書を偽造する、被相続人や他の相続人を故意に死亡させて刑罰を受ける、などの事由に該当すると、相続人となる権利を失います。

「廃除」

被相続人が生前に推定相続人から暴力や侮辱などの著しい非行を受けていた場合は、相続人を廃除できます。被相続人が家庭裁判所に請求することで、推定相続人の相続権を認めないようにできるのです。相続人の廃除は、遺言書で請求することもできます。

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2017年7月28日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

死因贈与

死因贈与とは

「死因贈与」とは、贈与者が死亡することによって効力を生じる、生前の財産の贈与契約のことです。「死因贈与」は「遺贈」と混同されがちです。というのも、どちらも贈与の一種であるという点、また、贈与する者の死亡によって、もらい受ける側(受贈者)に財産権が移転する点で共通するからです。ですが、この両者は、法律上では明確に区別されています。

では、死因贈与と遺贈は、どのような部分で異なるのでしょうか。

まず、遺贈が、遺言者が遺言によって行う一方的な意思表示であるのに対して、死因贈与は受贈者が受諾することで成立する契約です。そのとき、遺言書は必要とされません。つまり、死因贈与は当事者間の合意による契約であるという点で、遺贈とは全く違うのです。

次に、遺贈と比較したときの死因贈与のメリットについて述べます。

メリット1

遺贈においては仮登記が認められていませんが、死因贈与については仮登記が認められています。仮登記とは、まさに「仮の登記」ということで、あくまで仮のものですが、実際に本登記を行うときの順位が保全されるというものです。この仮登記を行うことで、贈与者が死因贈与の目的の土地を売却することなどが事実上難しくなったりする効果が期待できます。
なお、仮登記を本登記にする場合には、受贈者および相続人全員の共同申請が原則ですが、一般的に相続人全員が承諾することは考えにくいため、通常は死因贈与契約を公正証書にしたうえで、執行者を定めておきます。そうすれば、本登記は受贈者と執行者の共同申請で行うことが可能になります。

メリット2

死因贈与においては、贈与者が生前の受贈者の一定の義務と関連づけることが可能です。つまり、たとえば「自分たちの世話をする約束で土地と建物を贈与する」ということが可能になるのです。

メリット3

死因贈与は契約なので、相続の放棄を行えません。そのため、贈与する側がどうしても財産を渡したいという場合に有効な手段だと考えられています。

税金について

死因贈与は、単なる贈与と比べた場合、被相続人から財産を直接受け取ることになるので、相続税は課されても贈与税は課されないというメリットもあります。これが、いったん財産を相続した法定相続人から贈与を受けるというかたちですと、相続税を払ってなおかつ贈与税も課されてしまうのです。
ただ、死因贈与の内容が不動産の移転に関するものであった場合、不動産取得税や登録免許税がかかってくるので注意してください(不動産取得税は相続の場合には課されません)。

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2017年7月25日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

遺留分

相続人が数人いるのに、何らかの事情で、「自分の全財産を長男に相続させる」というような極端な遺言を、被相続人が遺す場合があります。このようなときに、相続人の最低限の取り分・権利を保障する制度が遺留分の制度です。

相続人に配偶者や子どもが含まれる場合、遺留分の割合は、法定相続分の半分となります。例えば、配偶者と子ども3人が相続人のときは、配偶者には4分の1、子どもには、それぞれ12分の1の遺留分があります。相続人が両親等の尊属のみである場合、遺留分は法定相続分の3分の1となります。兄弟姉妹には、遺留分はありません。

遺留分の権利は、遺留分を侵害する贈与や遺贈を受けた者に対して、「遺留分減殺(げんさい)請求」をすることにより、行使します。この請求は、内容証明郵便などで意思表示すれば効力を生じ、裁判所での手続などは必要ありません。

この権利を行使するかどうかは、各相続人に委ねられていますので、遺留分を侵害された他の相続人と揃ってする必要はありません。また、相続人間の協議で、遺留分を譲渡したり、増減したりすることもできません。

遺留分減殺請求権は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ってから1年以内、相続が開始してから10年以内に行わなければ、時効により消滅することとなりますので、注意が必要です。

遺留分を計算する元となる財産の額は、死亡時に被相続人が有していた財産の額に、死亡の1年以内に生前贈与した財産の額、相続人に対する過去の贈与で婚姻や生計の資本として与えた額(特別受益といいます)などを加算し、債務を差し引いた額となります。生命保険金は、受取人の固有財産とされているため、原則として、遺留分算定のための基礎財産には含まれません。
減殺請求を受けた側は、遺贈等により取得した不動産などの実物を返還することもできますが、金銭によって弁償することもできます。

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2017年7月21日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:相続

相続放棄

故人の配偶者や子であっても、故人の権利義務関係を承継したくない場合は、相続を放棄することができます。相続を放棄すれば、その者は、最初から相続人とならなかったものとみなされます。特に、故人が負債を資産より多く遺した場合は、相続放棄を検討した方が良いでしょう。

相続放棄は、故人の住所地を管轄する家庭裁判所にその旨を申述することが必要であり、単に財産を引き継ぐ意思がないことを相続関係者に表明するだけでは、効果がありません。そして、この手続は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に行わなければなりません。この期間を経過したり、期間経過前でも故人の財産を処分したりすると、原則として相続を承認したこととなります。財産の調査に時間がかかる場合等は、あらかじめ、この期間を伸長する請求をする必要があります。相続放棄は、相続人それぞれが申し立てることができ、全員が揃って行う必要はありません。

相続放棄により同じ順位の相続人がいなくなったときは、次の順位の相続人に相続権が移ります。例えば、子どもが全員相続放棄すれば、今度は新たに両親など尊属が相続人となります。尊属が生存していなかったり、全員相続放棄したりした場合は、兄弟姉妹が相続人となり、結果的に相続人が誰もいなくなった場合は、利害関係者の請求により、相続財産管理人を家庭裁判所に選任してもらい、遺産を整理することになります。
なお、相続を放棄した者は、遺産を処分することはできませんが、相続人が確定するまで、自己の財産に対する注意と同じだけの注意をもって、遺産を管理する義務を負います。
また、相続には、承認と放棄のほかに、限定承認という選択肢があります。これは、相続財産の範囲内で負債を返済し、仮に剰余が出た場合は、相続人が受け取れるという制度です。一見、良さそうな制度ですが、相続人全員の協力が必要なうえ、財産目録の作成や官報への公告、関係者との調整や弁済・換価・配当手続など事務処理の手間が大変なため、実際にはあまり利用されていません。

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2017年7月20日 | コメント/トラックバック(0)|

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